>■ 1・17 KOBE

[2006/1/20]

今日は、1月17日。あの大震災から11年目。なので早起きして神戸に行ってきました。

’94年暮、震災のすこし前に、ほんの一時帰国のつもりでアメリカから帰ってきた。久しぶりのお正月を日本で過ごし、その気分も抜けないままのあの地震。当日は長野にいて事無きを得たけど、当時借りてたまま、アメリカにいる間友だちが住んでてくれた高層公団24階の部屋は、天井からコンクリートがはがれ落ち亀裂が入って、後で半壊と認定された。もちろん置いてた家財道具一切は、元の位置がどこか判らないくらい散乱してグジャグジャになった。そんななか唯一友だちが奇跡的に無事だったことがほんとうに幸いだった。

実家に戻っておふくろの50ccのスクーターで神戸に入った。いろんな被災地を巡りながら、ふと公園に立ってたティピを見つけ、その日からそこでしばらくボランティアをやった。

ちょうどインディアンの世界から帰ったばっかりで、彼らの長老たちが伝えるところの、現代の文明が母なる大地の道に戻らないと、大地震や巨大ハリケーン、洪水なんかの自然災害が頻繁に起こり、この地球が大浄化に見舞われる!って聞いてたからね。だからメチャクチャになった神戸の街のなかに一張りティピが立ってたのを見た時は、ここだ!自分の与えられた場所は、って、思わず啓示のように、受付で自分の名前書いたよ。(後からそのティピは和歌山のBAGUSやってる友だちのだって判った。)

普段はキャンプなんて出来ない大都会の公園に、ティピや色とりどりのテントが立ち並び、全国から駆けつけた心ある大勢の老若男女のボランティアが集って、助け合い、励ましあう。昼は一生懸命動いて、同じゴハンを食べて、夜は火を囲み、語らう。こんなインディアンみたいな生き方は、本当はこのクニにもほんの少し前まであったはずの、古くて新しい、これこそ来るべき未来の姿だって思えた。ガレキの中で垣間見えた輝く希望の光。

この光景を目指していけばダイジョウブ。この頃の体験は、その時から自分にとって大きなビジョンになっている。

僕が居たところは、「神戸元気村」というところ。そこにはバウさんというビッグチーフがいて、そのもとに今は故郷の山形に戻り市議をやりながら環境活動してる通称スターン(草島進一)や四万十川でカヌーガイドしながら今も地元で精力的にボランティア含めていろんな活動してるトールや、現在もバリバリ海外の災害や戦争、地雷なんかのことをやっている吉村くんなんかがチーフで頑張ってた。でも元気村の良さは、命令系統だとか、組織やヒエラルキーなんかじゃない、来た人みんなが自発的に積極的に自分の出来ることを一生懸命やっていたこと。それが一番素晴らしかった。

ミュージシャンなら毎日近所の人たちが見に来るステージで歌っていたし、天然酵母のパン焼く人は、毎日夜中にパン生地練って朝一番で焼いて配ってた。

あるときタタミ3畳ほどのステージに、来日中のレゲエミュージシャンが来て、ジャ〜!ラスタファ〜ライ!なんてのもあった。

そして神戸を拠点にいろんなボランティア活動が生まれた。タンカー事故や有珠山噴火などにも元気村は真っ先に駆けつけてた。

今は発展的解散を遂げた元気村だけど、みんな関わった人の中では、その後もそれぞれ一人元気村やってるんだと思う。バウさん筆頭に、スターンやトール、吉村君たちは言うに及ばず、自分も含めて、何かやる時の基本になってるって実感してる。それとその頃出会った人のつながりの大きさも。

昨年10年目の1・17には久しぶりに元気村のあった公園に何人かが集まって静かにロウソク灯しながらこの10年をふり返った。

今年は、最初公園行ってみたけど、残念ながら誰も会えなかった。それでもこの季節のあの公園は、改めて忘れていた多くのことを思いださせてくれたよ。

朝の5時46分に合わせて三宮の東遊園地に行ってみた。そこに来てた大勢の人たちに混じり去年の8・6ヒロシマでキャンドル・ジュンくんからもらったキャンドルに火を灯し、11年目を迎えた。

中越地震の被災者の人の話や、明石の歩道橋事故で子供を亡くしたお父さんが、神戸からスマトラ地震の被災者に義援金を届けに行った話などを聞いて胸が熱くなった。当時のような炊き出しでいただいた豚汁の味で、いろんな思い出がよみがえった。おいしいコーヒーだと思ったら、スターバックス関西有志スタッフの若者たちが入れてくれたコーヒーだった。たぶん徹夜なんだろうな、当時は子供だったろう、大勢の若者が会場ボランティアやってくれていたのが何よりうれしかった。

元気村時代の元気がよみがえった11年目の神戸でした。

また来年も来よう。その時まで、毎日をガンバって生きるぜ!って、元気が湧いた今日1・17神戸の朝でした。

ALL MY RELATIONS !

ハル

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